瓦屋根にカバー工法は不向き?葺き替えが選ばれる理由を解説

「瓦屋根もカバー工法でリフォームできる?」

「できるだけ費用を抑えたいから、瓦屋根にもカバー工法をしたい」

「瓦屋根のリフォームは葺き替えしか方法がないの?」

このような疑問をお持ちではありませんか?

近年、屋根リフォームでは「カバー工法」が人気を集めています。既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を施工するため、工事費用や工期を抑えられる工法として多くの住宅で採用されています。

しかし、瓦屋根の場合は話が少し異なります。

実は、瓦屋根は基本的にカバー工法には向いていない屋根です。

とはいえ、「カバー工法ができない」と聞くと、

「じゃあ高額な葺き替えしか選択肢がないの?」

と不安になる方も多いでしょう。

そこで今回は、瓦屋根がカバー工法に向かない理由や、葺き替えが選ばれる理由、費用を抑えながら後悔しないリフォーム方法について詳しく解説します。

そもそもカバー工法とは?

カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せず、その上から防水シート(ルーフィング)と新しい屋根材を施工する工法です。

主に施工される屋根は、

  • スレート屋根
  • 金属屋根

です。

既存屋根を撤去しないため、

  • 廃材処分費が少ない
  • 工期が短い
  • 費用を抑えられる

といったメリットがあります。

そのため、築20~30年程度のスレート屋根では非常に人気の高い工法です。

しかし、このメリットがそのまま瓦屋根にも当てはまるわけではありません。

瓦屋根はカバー工法ができる?

結論からお伝えすると、

瓦屋根へのカバー工法は基本的におすすめできません。

施工自体が困難であり、多くの屋根専門業者でも瓦屋根には葺き替え工事を提案します。

その理由は、瓦屋根ならではの構造にあります。

瓦屋根にカバー工法が向かない4つの理由

① 屋根が重くなりすぎる

瓦は屋根材の中でも重量があります。

一般的な和瓦は1㎡あたり約40~60kg程度あり、スレート屋根や金属屋根と比べると非常に重い屋根材です。

この状態でさらに新しい屋根材を重ねてしまうと、建物への負担が大きくなります。

特に地震が多い日本では、屋根重量の増加は耐震性にも影響を与える可能性があります。

そのため、瓦を残したまま屋根を重ねる工法は基本的に採用されません。

② 瓦は凹凸が大きく施工できない

カバー工法は既存屋根の上に新しいルーフィングを施工します。

しかし瓦屋根は一枚一枚が立体的な形状になっています。

平らではないため、

  • 防水シートが施工しにくい
  • 新しい屋根材を固定できない

という問題があります。

構造上、カバー工法との相性が非常に悪い屋根なのです。

③ 下地の状態を確認できない

瓦屋根は耐久性が高い反面、長年使用すると内部の防水シートや野地板が劣化していることがあります。

カバー工法では既存屋根を残すため、

下地の傷みを十分に補修できません。

もし、

  • 野地板が腐食している
  • 雨漏りが進行している

状態でカバー工法を行えば、

数年後に再び工事が必要になる可能性もあります。

④ メーカー保証の対象外になる場合がある

屋根材メーカーは、適切な施工方法で施工された場合のみ保証を適用しています。

瓦屋根への無理なカバー工法では保証対象外になるケースもあるため注意が必要です。

なぜ葺き替えが選ばれるの?

瓦屋根では、カバー工法ではなく葺き替え工事が選ばれるケースがほとんどです。

葺き替えとは、既存の瓦をすべて撤去し、新しい屋根材へ交換する工事です。

一見すると費用が高く感じますが、多くのメリットがあります。

屋根を軽量化できる

現在では、

  • ガルバリウム鋼板
  • SGL鋼板
  • アスファルトシングル

など軽量な屋根材へ変更する方が増えています。

瓦から軽量屋根へ葺き替えることで、建物への負担を大きく軽減できます。

下地まで新しくできる

葺き替え工事では、

  • 防水シート
  • 野地板

の状態も確認できます。

必要に応じて補修や交換ができるため、雨漏り対策としても非常に効果的です。

今後のメンテナンス計画が立てやすい

屋根全体を新しくするため、

今後20~30年以上安心して住める可能性が高まります。

瓦屋根から人気の屋根材へ変更する人が増えている理由3選

近年は、瓦屋根から軽量屋根へ葺き替える住宅が増えています。

その理由は大きく3つあります。

耐震性の向上

屋根の重量は重ければ重いほど住宅の重心位置は高くなります。

重心が高いことで地震発生時の揺れは大きくなる傾向にあります

屋根材が瓦の1/10程軽くなることで建物への負担を軽減できます。

地震対策としても大きなメリットです。

雨漏り対策

防水シートまで新しくできるため、防水性能が向上します。

メンテナンス性の向上

近年の屋根材は耐久性が高く、長期間安心して使用できる製品も増えています。

葺き替え工事の費用相場

瓦屋根の葺き替え費用は住宅の大きさや屋根材によって異なります。

一般的な30坪前後の住宅では、

  • 瓦からガルバリウム鋼板:約150万~250万円
  • 瓦からアスファルトシングル:約140万~220万円

程度が目安です。

瓦の撤去費や処分費が必要になるため、スレート屋根のカバー工法より費用は高くなる傾向があります。

しかし、

下地まで新しくできることを考えると、長期的な安心感は大きいでしょう。

費用を抑える方法は?

「葺き替えしかないなら予算が心配…」

という方も多いと思います。

そこで費用を抑える方法をご紹介します。

外壁塗装と同時施工する

足場代を一度で済ませられるため、トータルコストを抑えられる場合があります。

火災保険を確認する

台風や強風など自然災害による被害であれば、火災保険が適用される可能性があります。

ただし、経年劣化は対象外です。

複数社から見積もりを取る

同じ工事内容でも費用には差があります。

価格だけでなく、

  • 工事内容
  • 使用する屋根材
  • 保証内容

も比較しましょう。

葺き替えがおすすめな住宅

次のような住宅では葺き替えがおすすめです。

  • 築30年以上経過している
  • 雨漏りしている
  • 瓦がズレている
  • 防水シートの劣化が心配
  • 耐震性を向上させたい
  • 軽量な屋根へ変更したい

これらに当てはまる場合は、カバー工法を無理に検討するより、葺き替えを選んだ方が結果的に満足度が高くなるケースが多いです。

後悔しないリフォームのために確認したいポイント

瓦屋根のリフォームでは、費用だけで工法を選ぶのはおすすめできません。

以下のポイントを確認しておきましょう。

屋根診断を受ける

まずは下地の状態を確認することが大切です。

将来のライフプランを考える

今後20~30年住み続ける予定であれば、耐久性を重視した工事がおすすめです。

屋根材の特徴を比較する

ガルバリウム鋼板、SGL鋼板、アスファルトシングルなど、それぞれ特徴があります。

住宅や地域に合った屋根材を選びましょう。

屋根専門業者へ相談する

瓦屋根の施工実績が豊富な業者であれば、住宅の状態に合わせた最適な提案をしてもらえます。

まとめ

瓦屋根は構造上の理由から、カバー工法には基本的に向いていません。

重量や形状、防水性能の観点からも、多くの場合は葺き替え工事が推奨されます。

一見すると葺き替えは費用が高く感じるかもしれませんが、

  • 屋根の軽量化
  • 耐震性の向上
  • 下地の補修
  • 防水性能の改善

など、多くのメリットがあります。

大切なのは「できるだけ安い工法」を選ぶことではなく、今後も安心して暮らせる屋根リフォームを選ぶことです。

瓦屋根のリフォームを検討している方は、まずは信頼できる屋根専門業者に点検を依頼し、ご自宅の状態に合った最適な工法を提案してもらうことをおすすめします。

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