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金属屋根のカバー工法とは?屋根材の種類と向いている屋根を解説

金属屋根のカバー工法とは?屋根材の種類と向いている屋根を解説

「屋根が古くなってきたけど、金属屋根のカバー工法ってどんな工事?」

「うちの屋根にも、金属の屋根を重ねられるの?」

「金属屋根にすると、夏に暑くなったり雨音がうるさくなったりしない?」

このように考えたことはありませんか?

屋根のリフォームを調べると、「カバー工法」や「ガルバリウム鋼板」といった言葉がよく出てきます。しかし、聞き慣れない言葉が多く、自宅の屋根に合うのかどうか分かりにくいと感じる方も少なくありません。

結論からお伝えすると、金属屋根のカバー工法とは、今の屋根を撤去せずに、防水シートと軽い金属屋根材を上から重ねて張るリフォームです。スレート屋根や多くの金属屋根なら、葺き替えより費用と工期を抑えながら屋根を新しくできます。

ただし、どんな屋根にもできるわけではありません。

例えば、

  • 瓦屋根
  • 下地の傷みが深い屋根
  • すでにカバー工法をしている屋根

などは、カバー工法ができないため注意が必要です。

さらに、金属屋根材にはいくつかの種類があり、どれを選ぶかによって暑さや雨音、屋根の持ちが変わります。

そこで今回は、金属屋根のカバー工法の仕組みや、カバー工法ができない屋根、使われる金属屋根材の種類について詳しく解説します。

金属屋根のカバー工法とは?知っておきたい3つの基本

今の屋根に防水シートと金属屋根材を重ねる3つの層と重さの目安

金属屋根のカバー工法とは、今の屋根を撤去せず、その上に防水シートと軽い金属屋根材を重ねて張るリフォームです。屋根を重ねて張ることから、「重ね葺き」と呼ばれることもあります。

古い屋根をはがさない分、撤去や処分の費用がかからないため、葺き替えより費用と工期を抑えやすいのが特徴です。また、金属屋根材はとても軽いので、屋根が二重になっても建物への負担を小さく抑えられます。

葺き替えとは、今の屋根をすべてはがして、新しい屋根に作り替える工事のことです。2つの工事の違いを整理すると、次のとおりです。

比べる点金属屋根のカバー工法葺き替え
今の屋根残して上から重ねるすべて撤去する
撤去と処分の費用かからないかかる
工期短くなりやすい長くなりやすい
下地の補修できる範囲が限られる下地から直せる

「屋根を二重にして本当に大丈夫なの?」と不安に感じる方もいるでしょう。そこで、金属屋根のカバー工法を知るうえでは、まず次の3つを押さえておくことが大切です。

  • 今の屋根の上に防水シートと金属屋根材を重ねる仕組み
  • 金属屋根材が軽いこと
  • 工事の進め方

ここでは、金属屋根のカバー工法の3つの基本を紹介します。

関連記事:屋根のカバー工法とは?施工方法や向いている屋根、注意点を徹底解説

今の屋根の上に防水シートと金属屋根材を重ねる

カバー工法では、今の屋根の上に新しい防水シートを敷き、その上に金属屋根材を張って仕上げます。古い屋根は、新しい屋根の下にそのまま残る形です。

防水シートは「ルーフィング」とも呼ばれ、屋根材の下で雨水を止めるシートです。屋根材のすき間から入り込んだ雨水は、最終的にこのシートで止まります。

そのため、カバー工法の目的は、屋根の見た目を新しくすることだけではありません。雨漏りを防ぐ最後の守りである防水シートを新しくすることが、実はとても重要なのです。

屋根の重なり方を下から順に並べると、

  • 今の屋根(古いスレートや金属屋根)
  • 新しい防水シート
  • 新しい金属屋根材

という3つの層になります。

防水シートにもいくつか種類があり、選ぶ製品によって持ちの長さが変わります。見積もりの段階で、どの防水シートを使うのかを確認しておくと安心です。

なお、瓦のように表面が波打っている屋根には、金属屋根材を平らに重ねられません。どのような屋根にできないのかは、後ほど詳しく説明します。

関連記事:カバー工法の防水シートに違いはある?ルーフィングの種類と特徴を解説

金属屋根材は1㎡あたり約5kgと軽い

カバー工法で金属屋根材が使われるのは、重ねても建物に負担をかけにくい軽さがあるためです。屋根が二重になる工事なので、上に載せる材料の重さはとても大切になります。

「屋根が重くなると、地震のときに危ないのでは?」と心配する方も多いでしょう。確かに、屋根が重いほど建物は揺れの影響を受けやすくなります。

しかし、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材は、1㎡あたり約5kgと非常に軽い屋根材です。屋根材ごとの重さの目安を比べると、次のとおりです。

屋根の状態1㎡あたりの重さの目安
金属屋根材(ガルバリウム鋼板など)約5kg
スレート屋根約20kg
スレートに金属屋根材を重ねた屋根約25kg

金属屋根材の重さは、一般的な和瓦(粘土瓦)の約10分の1とされています。そのため、スレートの上に金属屋根材を重ねても、屋根全体の重さは和瓦の屋根よりずっと軽く収まります。

ただし、ここで紹介した重さはあくまで目安です。実際の重さは屋根材の製品によって異なり、地震への強さも建物の造りや築年数によって変わるため、工事の前に建物全体の状態を確認してもらうことが重要です。

カバー工法のやり方は足場から始めて棟で仕上げる

カバー工法の工事は、現地調査と見積もりのあと、足場を組んで古い部材を外し、防水シート、金属屋根材の順に重ねていきます。最後に、雨が入りやすい屋根のてっぺんや端を仕上げて完成です。

「カバー工法にするには、まず何から始めればいいの?」と迷う方もいるでしょう。最初にすることは、屋根の工事会社に現地調査を依頼し、屋根の上と小屋裏から下地の状態を確認してもらうことです。

小屋裏とは、屋根と天井の間にある空間のことです。点検口から入ると、屋根の下地の裏側や雨のしみを確認できます。

工事の流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 現地調査と見積もり
  2. 足場の設置
  3. 棟板金や雪止めなどの取り外し
  4. 防水シートの敷き込み
  5. 金属屋根材の取り付け
  6. 棟板金や軒先、ケラバの仕上げ

棟板金とは、屋根のてっぺんにかぶせる金属の部材のことです。また、ケラバとは屋根の側面の端の部分を指します。

こうした屋根の端やつなぎ目は、雨水が入り込みやすい場所です。平らな部分を張り終えたあとの仕上げこそ、職人の腕が出るところだと考えておきましょう。

工事にかかる日数は、屋根の広さや形、天候によって変わります。工事中も基本的には家で普段どおり生活できますが、足場を組む日や屋根材を運び込む日は、音や車の出入りが増えます。

関連記事:屋根のカバー工法は何日で終わる?工期の目安や生活への影響を解説

金属屋根のカバー工法ができない4つの屋根

金属屋根のカバー工法ができない瓦屋根など4つの屋根

金属屋根のカバー工法は、スレート屋根や多くの金属屋根ならできますが、瓦屋根、下地が傷んだ屋根、すでにカバー済みの屋根、古い波型トタン屋根には向いていません。これらは、重ねたあとに屋根材をしっかり固定できないか、傷みを屋根の下に閉じ込めてしまう状態だからです。

「費用が安いなら、うちもカバー工法にしたい」と考えるのは自然なことです。しかし、向いていない屋根に重ねてしまうと、数年で雨漏りが起きるなど、かえって費用がかさむことがあります。

まずは、自宅の屋根が次のような状態に当てはまらないかを確認してみましょう。

  • 屋根が瓦でできている
  • 天井や壁に雨のしみがある
  • 過去に雨漏りを修理したことがある
  • 屋根の上にもう1枚屋根が重なっている
  • 築30年以上で一度も屋根を点検していない

などに1つでも当てはまる場合は、カバー工法ではなく葺き替えを含めて、点検で判断してもらうことが大切です。

ここでは、金属屋根のカバー工法ができない4つの屋根を紹介します。

関連記事:スレート屋根のカバー工法とは?できる条件と費用相場を解説

瓦屋根には重ねられない

瓦屋根には、金属屋根のカバー工法はできません。瓦は表面が大きく波打っていて平らに重ねられないうえ、もともと重い屋根にさらに重さを足すことになるためです。

瓦屋根から軽い金属屋根に変えたい場合は、今の瓦をすべて撤去する葺き替えになります。屋根が軽くなるので、地震への備えとして葺き替えを選ぶ方も少なくありません。

関連記事:瓦屋根にカバー工法は不向き?葺き替えが選ばれる理由を解説

下地の野地板が傷んでいるとできない

屋根の下にある野地板が広く傷んでいると、カバー工法はできません。野地板とは、屋根材や防水シートを留めている下地の板のことです。

野地板が傷んでいると、新しい金属屋根材を留めるビスや釘がしっかり効きません。その結果、強い風で屋根材がはがれたり、雨漏りが続いたりするおそれがあります。

特に、

  • 雨漏りを起こしたことがある屋根
  • 築年数が古く、長く点検していない屋根
  • 屋根の上を歩くとたわむと言われた屋根

といったケースでは、野地板が傷んでいる可能性が高いため注意が必要です。

傷みが軽い場合は、新しい板を上から張り足して補強してから重ねる方法もあります。どちらの方法になるかは、屋根の上と小屋裏の両方を見て判断します。

すでにカバー工法をした屋根には重ねない

一度カバー工法をした屋根に、もう一度重ねることはできません。3枚目の屋根を重ねると、固定や防水がうまくいかないうえ、屋根が重くなりすぎるためです。

そのため、カバー工法をした屋根を次に直すときは、2枚分の屋根を撤去する葺き替えになります。撤去と処分の費用が増えるので、今回カバー工法を選ぶなら、次の改修まで見据えて考えておくことが大切です。

古い波型トタン屋根は張り替えが向く

今の屋根が古い波型のトタン屋根なら、カバー工法より張り替え(葺き替え)が向いています。長年の雨や結露によって、トタンの下の野地板が傷んでいることが多いためです。

また、トタンはもともと撤去や処分の費用が比較的安い屋根です。そのため、わざわざ上から重ねるより、下地から新しくしたほうが結果的に安心で、費用の差も小さくなりやすいのです。

一方で、今の屋根が金属でも、形によってはカバー工法ができる場合があります。今の屋根が金属のときの目安は、次のとおりです。

今の屋根カバー工法気をつけること
横葺きの金属屋根できる場合がある断熱材一体型の横葺きは向かないことがある
立平葺きの金属屋根できる場合がある板を張ってから重ねるため費用が上がりやすい
瓦棒葺きの金属屋根できる場合がある下地や骨組みの傷み具合で判断する
古い波型トタン屋根張り替えが向く下の野地板が傷んでいることが多い

ただし、同じ形の屋根でも、傷み具合によってできるかどうかは変わります。表はあくまで目安として、実際には現地で屋根の状態を見てもらったうえで判断しましょう。

カバー工法に使う金属屋根材は?主な4つの種類

ガルバリウム鋼板など主な金属屋根材4種類の特徴と耐用年数

カバー工法に使う金属屋根材は、ガルバリウム鋼板、SGL(エスジーエル)鋼板、石粒付き金属屋根、断熱材一体型の金属屋根の4つが主な種類です。どれも軽くて重ねやすい屋根材ですが、さびにくさや断熱、雨音、価格が少しずつ違います。

「どの屋根材を選べばいいのか分からない」という方も多いでしょう。何を優先するかによって選ぶ屋根材が変わるため、まずは特徴を比べてみることが大切です。

種類特徴耐用年数の目安
ガルバリウム鋼板費用と耐久のバランスがよい約25〜35年
SGL鋼板ガルバリウム鋼板よりさびに強い約30〜40年
石粒付き金属屋根雨音が静かで塗り替えが少ない約30〜50年
断熱材一体型の金属屋根夏の暑さと雨音をやわらげる製品によって異なる

金属屋根材は、国内の鋼板メーカーや屋根材メーカーから多くの製品が出ています。同じ種類でも、表面の塗装や保証の内容は製品ごとに違うため、見積もりの段階で製品名とメーカー保証の条件を確認しておきましょう。

なお、金属ではありませんが、アスファルトシングルという軽い屋根材もカバー工法に使われます。費用を抑えやすい一方、耐用年数は約20〜30年とされ、金属屋根材より短めです。

関連記事:カバー工法にアスファルトシングルは向いている?耐久性や寿命を徹底解説

ここでは、カバー工法に使われる主な4つの金属屋根材を紹介します。

ガルバリウム鋼板は費用と耐久のバランスがよい

ガルバリウム鋼板は、カバー工法でもっともよく使われる金属屋根材です。アルミニウムと亜鉛でめっきした鋼板で、昔のトタンよりさびにくく、価格と耐久性のバランスがよいのが特徴です。

耐用年数の目安は約25〜35年とされ、15〜20年ほどたったころに塗装で表面を守ると長持ちしやすくなります。屋根材の費用は、1㎡あたり8,000〜12,000円ほどが目安です。

また、「ガルバリウム鋼板とステンレスはどちらがよいの?」という疑問を持つ方もいます。ステンレスの屋根は耐用年数が50年ほどと長い一方で、価格はガルバリウム鋼板の2倍ほどになるため、住宅のカバー工法ではガルバリウム鋼板を選ぶ方が多い傾向があります。

関連記事:ガルバリウム鋼板のカバー工法を選ぶ価値はある?費用と耐用年数を比較

SGL鋼板はさびにさらに強い

SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板をもとに、さらにさびにくくした金属屋根材です。「次世代ガルバリウム鋼板」と呼ばれることもあります。

めっきにマグネシウムを加えることで、メーカーはガルバリウム鋼板の3倍を超える耐食性をうたっています。耐食性とは、さびや腐食への強さのことです。

そのため、海の近くや、雨風が強く当たる場所の住宅に向いています。耐用年数の目安は約30〜40年で、価格はガルバリウム鋼板より1㎡あたり500円ほど高くなるケースが多いとされています。

石粒付き金属屋根は雨音が静かで塗り替えが少ない

石粒付き金属屋根は、ジンカリウム鋼板などの表面に細かな石の粒を吹き付けた屋根材です。表面の石粒が雨の当たる音を散らすため、金属屋根のなかでも雨音が静かなのが特徴です。

また、石粒のおかげで色あせしにくく、基本的に塗装での塗り替えがいらないとされています。耐用年数の目安は約30〜50年と長めです。

一方で、価格はガルバリウム鋼板より高めです。さらに、年数がたつと表面の石粒が少しずつ落ちることがあるため、雨どいにたまった石粒は掃除が必要になります。

断熱材一体型は夏の暑さをやわらげる

断熱材一体型の金属屋根は、屋根材の裏側に断熱材が付いた屋根材です。金属の熱が室内に伝わりにくくなり、雨の振動も吸収するため、暑さと雨音の両方をやわらげられます。

ある屋根材メーカーは、施工前と比べて屋根裏の温度が約10〜15℃下がったというデータを公表しています。特に、2階の部屋が夏に暑いと感じている方には検討しやすい屋根材です。

費用は1㎡あたり10,000〜15,000円ほどが目安で、ガルバリウム鋼板のみの屋根材より高くなります。ただし、断熱の効き方は建物の造りや屋根裏の換気によって変わるため注意が必要です。

横葺きと立平葺きはどちらを選ぶ?屋根の勾配で決める

横葺きと立平葺きの見た目の違いと必要な屋根の勾配

金属屋根の張り方は、見た目を重視するなら横葺き、屋根の傾きがゆるいなら立平葺きが目安です。横葺きは横に継ぎ目が入るため、傾きがゆるいと雨水が流れにくくなるからです。

「どちらでも好きなほうを選べるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、葺き方は見た目の好みだけでなく、屋根の勾配(傾き)に合っているかどうかで決まります。

2つの葺き方の違いは、次のとおりです。

比べる点横葺き立平葺き
板の向き横向きに張る縦向きに長い板を張る
見た目横のラインが入り、落ち着いた印象縦のラインが入り、すっきりした印象
向いている屋根ある程度の傾きがある屋根傾きがゆるい屋根

一般的に、横葺きには2.5〜3寸以上の勾配が必要とされています。一方で、立平葺きは縦方向に雨水が流れやすく、0.5寸ほどのゆるい勾配に使える製品もあります。

ゆるい勾配の屋根に横葺きを張ってしまうと、継ぎ目から雨水が入り込み、雨漏りの原因になることがあります。使える勾配は屋根材の製品ごとに決まっているため、見積もりを受け取ったら、屋根の勾配に合った製品が選ばれているかを確認しましょう。

金属屋根にすると暑い?雨音はうるさい?

二重の屋根にできる空気層と暑さや雨音を抑える3つの屋根材

カバー工法で金属屋根にしても、屋根が二重になるため、暑さや雨音はそれほど気になりにくくなります。古い屋根と新しい屋根の間に空気の層ができ、熱と音が伝わりにくくなるためです。

「金属の屋根は、夏は熱くて雨の日はうるさい」というイメージを持つ方も少なくありません。確かに、薄い金属板だけの屋根なら、日差しで熱くなりやすく、雨の音も響きやすくなります。

しかし、カバー工法では今の屋根がそのまま下に残ります。そのうえで、屋根材選びを工夫すれば、暑さや雨音をさらに抑えることができます。

例えば、

  • 日差しを跳ね返す遮熱塗装の屋根材
  • 裏に断熱材が付いた断熱材一体型の屋根材
  • 表面に石粒が付いた屋根材

などを選ぶ方法です。

遮熱塗装とは、太陽の光を跳ね返しやすい塗料で仕上げた表面のことです。屋根の表面が熱くなりにくく、屋根裏に熱がこもるのを抑える効果が期待できます。

特に、屋根の真下に寝室や子ども部屋がある場合は、雨音が気になりやすい傾向があります。気になる部屋がある場合は、屋根材を選ぶ段階で工事会社に伝えておくことが大切です。

金属屋根のカバー工法のデメリットと後悔しやすい点

金属屋根のカバー工法で知っておきたい5つのデメリット

金属屋根のカバー工法には、下地を直接直せない、1回しかできない、屋根が少し重くなる、といったデメリットがあります。古い屋根を残したまま、上に重ねる工法だからです。

「安く済むなら、デメリットは気にしなくていいのでは?」と感じる方もいるでしょう。しかし、デメリットを知らないまま工事を決めてしまい、あとから後悔するケースも少なくありません。

主なデメリットは、次のとおりです。

  • 下地の傷みが見えにくく、直せる範囲が限られる
  • 同じ屋根に重ねられるのは1回だけ
  • 屋根が少し重くなる
  • 塗装より初期費用が高い
  • 将来建物を解体するときに、処分費が増える

など、どれも古い屋根を残すことから生まれるものです。

また、火災保険を使って屋根を直す場合は、カバー工法だと補償の対象外になることがあります。火災保険は元の状態に戻す工事が前提になるため、事前に保険会社への確認が必要です。

特に後悔につながりやすいのは、下地を見ないまま重ねてしまうことと、費用の安さだけで屋根材を選んでしまうことです。屋根材によっては雨音が気になることもあるため、工事の前に自宅の状態と優先したいことを整理しておきましょう。

関連記事:屋根カバー工法の失敗例7選!原因と失敗を防ぐ確認点を徹底解説

なお、屋根が少し重くなることについては、金属屋根材なら増える重さはわずかです。心配な場合は、建物の築年数とあわせて工事会社に相談してみましょう。

関連記事:カバー工法は地震に弱い?施工前に知っておきたい耐震性の基礎知識

金属屋根のカバー工法の費用は?30坪の相場を紹介

30坪ほどの戸建ての費用目安と屋根材ごとの金額の違い

金属屋根のカバー工法の費用は、一般的な戸建てで80万〜150万円ほどが目安です。屋根の広さや形、選ぶ金属屋根材、下地の補強の有無、足場代によって金額が変わります。

「できるだけ費用は抑えたい」と思うのは当然です。まずは、一般的な相場を知っておくと、見積もりが高いか安いかを判断しやすくなります。

一般的な費用の目安は、次のとおりです。

条件費用の目安
30坪ほどの戸建て80万〜150万円ほど
屋根の面積80㎡約108万円(1㎡あたり1.2万円+足場代20万円で計算した例)
ガルバリウム鋼板を使う場合80万〜120万円ほど
SGL鋼板を使う場合90万〜140万円ほど
石粒付き金属屋根を使う場合100万〜160万円ほど

なお、官兵衛ルーフでは、カバー工法の料金を660,000円〜1,430,000円(税込)で公開しています。実際の金額は、屋根の広さや状態を現地で確認してからお伝えします。

相場より大きく安い見積もりが出た場合は、足場代や防水シート、棟などの仕上げの費用が含まれているかを確認しましょう。「一式」とだけ書かれた見積もりは、中身を比べられないため注意が必要です。

関連記事:屋根カバー工法の費用相場を徹底解説!30坪の内訳と見積書の見方

金属屋根のカバー工法は何年もつ?屋根材ごとの目安

ガルバリウム鋼板・SGL鋼板・石粒付き金属屋根の耐用年数の比較

金属屋根のカバー工法は、適切な材料と施工であれば、30年ほどもつのが目安です。屋根材そのものだけでなく、下に敷く防水シートの持ちや、施工の丁寧さによって寿命が決まります。

「せっかく工事をするなら、できるだけ長くもってほしい」と考える方がほとんどでしょう。屋根材ごとの耐用年数の目安は、次のとおりです。

  • ガルバリウム鋼板:約25〜35年
  • SGL鋼板:約30〜40年
  • 石粒付き金属屋根:約30〜50年

といった違いがあります。

ただし、どの屋根材でも、工事が終わったら点検がいらないわけではありません。特に、屋根のてっぺんにある棟板金は風の影響を受けやすいため、10〜15年ごとに点検しておくと安心です。

さらに、海の近くや強い風が当たる場所では、さびや傷みが早く進むことがあります。定期的に点検を受け、小さな不具合のうちに直すことが、屋根を長持ちさせるいちばんの近道です。

関連記事:カバー工法は20年以上持つ?耐用年数の目安と長持ちさせる5つのポイント

塗装とカバー工法はどちらを選ぶ?住む年数と下地で決める

住む年数と屋根の状態で塗装・カバー工法・葺き替えを選ぶ目安

あと数年で住み替える予定の家なら塗装、20年以上住み続ける家ならカバー工法が目安です。塗装は1回の費用が安い一方で数年ごとに塗り直しが必要になり、カバー工法は初期費用が高い分、長く手がかからないためです。

「今は塗装で様子を見て、傷んできたらカバー工法にすればいいのでは?」と考える方もいるでしょう。確かに、屋根の傷みが軽く、下地が丈夫なうちは塗装も選択肢になります。

しかし、塗装は屋根の表面を守るための工事で、傷んだ屋根材そのものを新しくすることはできません。塗り直しを繰り返すと、長い目で見た合計の費用はカバー工法と変わらなくなることもあります。

選び方の目安は、次のとおりです。

自宅の状況向いている工事
数年のうちに住み替える予定がある塗装
屋根材の傷みが目立ち、20年以上住み続けたいカバー工法
雨漏りがある、下地が傷んでいる葺き替え

官兵衛ルーフの公開料金は、屋根塗装が550,000円〜1,650,000円(税込)、カバー工法が660,000円〜1,430,000円(税込)です。どちらの工事も、屋根の大きさや状態によって金額が変わります。

工場や倉庫の金属屋根もカバー工法で直せる?

工場や倉庫の折板屋根と波形スレート屋根を重ねて直す2つの留め方

工場や倉庫の折板屋根や、波形スレート屋根も、金属屋根のカバー工法で直すことができます。工場や倉庫の屋根には、骨組みや今あるボルトを使って新しい金属屋根を留める専用の工法があるためです。

「住宅と同じやり方で直せるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、工場や倉庫の屋根は、住宅の屋根とは形も留め方も大きく違います。

例えば、波形スレートの屋根では、

  • 新しい金属屋根を骨組みに直接ビスで留める方法
  • 今あるフックボルトを使い、古い屋根に穴をあけずに留める方法

といった工法があります。

屋根を撤去しないので、工場や店舗の操業を止めずに工事を進めやすいのも利点です。ただし、住宅向けの費用相場や工事の流れはそのまま当てはまらないため、施設の屋根に詳しい工事会社に相談することが大切です。

補助金や火災保険は使える?固定資産税は上がる?

補助金・火災保険・固定資産税それぞれの確認ポイント

補助金や火災保険が使えるか、固定資産税に影響するかは、お住まいの自治体の制度や、屋根が傷んだ原因、工事の内容によって変わります。補助金は自治体ごとに条件が違い、火災保険は台風などの自然災害による被害が対象になるためです。

「せっかくなら、使える制度は使いたい」と思うのは当然です。それぞれの考え方は、次のとおりです。

  • 補助金:省エネや耐震を目的とした制度が対象になることがある
  • 火災保険:自然災害による被害が対象で、年数による劣化は対象外
  • 固定資産税:屋根の修繕だけで上がることは多くない

といった違いがあります。

補助金は、工事を始める前に申請が必要なことが多いため、契約の前に自治体の窓口やホームページで確認しておきましょう。また、火災保険で直す場合は、カバー工法だと補償の対象外になることがあるため、保険会社への確認が欠かせません。

固定資産税は、多くの場合、リフォームによって上がることはないとされています。ただし、屋根などの主要な部分を大きく作り替えて建物が再評価されると、上がる場合もあるため、心配な場合は自治体に確認しましょう。

関連記事:カバー工法の費用は火災保険でどこまで補償される?対象条件を徹底解説

屋根カバー工法で失敗や後悔をしないための業者選び

カバー工法の業者選びで確認したい5つのポイント

失敗や後悔を避けるには、屋根と小屋裏を見たうえで、使う金属屋根材と防水シートの名前が書かれた見積もりを出す業者を選ぶことが大切です。カバー工法の失敗は、下地を見ずに重ねたり、屋根材や防水を「一式」で済ませたりといった、見えない部分で起きるためです。

「どの業者に頼めばいいのか分からない」と悩む方も多いでしょう。業者を選ぶときは、次のような点を確認してみてください。

  • 点検のときの写真で、下地の状態を説明してくれる
  • 見積もりに屋根材と防水シートの製品名が書かれている
  • メーカーが決めた施工方法を守り、メーカー保証の条件を満たしている
  • 金属屋根の加工に慣れた職人が施工する
  • カバー工法ができない屋根なら、はっきり伝えてくれる

といった点です。

さらに、突然訪ねてきた業者に屋根の傷みを指摘され、その場で契約を急かされるケースもあります。その場ですぐに決めず、複数の業者から見積もりを取って比べることが、後悔しないための大切なポイントです。

関連記事:カバー工法で後悔しないために!施工前に知っておきたい5つの注意点を解説

まとめ

金属屋根のカバー工法は、今の屋根に防水シートと軽い金属屋根材を重ねる工事です。スレート屋根や多くの金属屋根なら、葺き替えより費用と工期を抑えて屋根を新しくできます。

この記事のポイントを振り返ると、

  • 金属屋根材は1㎡あたり約5kgと軽く、重ねても建物への負担が小さい
  • 瓦屋根、下地が傷んだ屋根、カバー済みの屋根、古い波型トタン屋根には向かない
  • 屋根材はガルバリウム鋼板、SGL鋼板、石粒付き、断熱材一体型の4種類が主流
  • 費用は一般的な戸建てで80万〜150万円ほどが目安
  • 耐用年数は屋根材によって約25〜50年と幅がある

といった内容です。

自宅の屋根にカバー工法が向いているかどうかは、屋根の上と小屋裏を見ないと決まりません。まずは点検で下地の状態を確認し、暑さや雨音、予算など、自宅で優先したいことに合った屋根材を選ぶことが大切です。

自宅の屋根に金属屋根のカバー工法ができるかどうかは、屋根と下地の状態を見てから判断します。

官兵衛ルーフでは、屋根の点検やお見積もりのご相談を受け付けています。

お電話:0120-97-6002(受付時間 10:00〜18:00・月曜定休)

メールでのご相談は、ページ下部のお問い合わせフォームから24時間365日受け付けています。

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