「瓦が割れているけど、修理にいくらかかるの?」
「業者に棟がゆがんでいると言われたけど、見積もりが高い気がする」
「部分的な修理で済むのか、葺き替えが必要なのか分からない」
このように考えたことはありませんか?
瓦屋根は長持ちする屋根ですが、台風や地震のあとに割れやずれが見つかることも少なくありません。急に修理が必要になると、どれくらいの費用がかかるのか不安になるのは当然です。
結論からお伝えすると、瓦屋根の修理費用は工事の規模によって大きく変わります。例えば、
- 瓦の差し替えなどの部分修理:数万円から
- 棟瓦の積み直し:数十万円
- 屋根全体の葺き直しや葺き替え:100万円以上
が目安です。
しかし、同じ「瓦の割れ」でも、瓦の下の防水シートや下地まで傷んでいるかどうかで、必要な工事も費用も変わります。費用の目安だけで判断すると、必要以上の工事を契約したり、直すべき所を残してしまったりするおそれがあります。
そこで今回は、瓦屋根の修理費用の相場を症状別・工事別に紹介し、費用が高くなるケースや、部分修理で済むかを見分ける目安、見積書の確かめ方について詳しく解説します。
瓦屋根の修理費用の相場は?症状別の早見表で確かめる

瓦屋根の修理費用は、部分修理なら数万円から数十万円、屋根全体を直す工事なら100万円から250万円程度が目安です。どの工事が必要になるかは、屋根に出ている症状によって決まります。
部分修理は傷んだ所だけに手を入れるのに対し、全体工事は瓦の下の防水シートや下地まで新しくするためです。材料も手間もまったく違うため、費用に大きな差が出ます。
「うちの屋根の場合はいくらぐらい?」と気になる方のために、よくある症状と工事、費用の目安を表にまとめました。
| こんな症状 | 主な工事 | 一般的な費用の目安 |
|---|---|---|
| 瓦が1〜数枚割れた・欠けた | 瓦の差し替え | 3万〜5万円程度 |
| 瓦がずれている・浮いている | 瓦の並べ直し | 5万円前後 |
| 瓦に小さなひびや隙間がある | コーキング補修 | 2万〜10万円程度 |
| 棟の下の漆喰が崩れている | 漆喰の詰め直し | 3万〜15万円程度 |
| 棟がゆがんでいる・崩れている | 棟瓦の積み直し | 20万〜60万円程度 |
| 谷の板金がさびている・穴があいている | 谷板金の交換 | 10万〜40万円程度 |
| 防水シートが寿命で雨漏りをくり返す | 葺き直し | 100万〜250万円程度 |
| 瓦も下地も寿命を迎えている | 葺き替え | 140万〜250万円程度 |
足場が必要な工事では、30坪前後の2階建てで15万〜30万円ほどが別にかかります。表の金額は一般的な相場で、屋根の広さや形、傷み方によって変わる点に注意が必要です。
なお、スレートや金属など、瓦以外の屋根の修理費用は次の記事で紹介しています。
関連記事:屋根修理の費用相場を徹底解説!高額見積もりを避ける4つのポイント
瓦屋根の部分修理にかかる費用を工事別に7つ紹介

瓦屋根の部分修理には、主に次の7つの工事があります。
- 瓦の差し替え
- 瓦の並べ直し
- コーキング補修
- 漆喰の詰め直し
- 棟瓦の積み直し
- 谷板金の交換
- ラバーロック
費用は数万円から60万円程度まで、工事によって変わります。傷んだ場所が瓦1枚なのか棟全体なのかで、手間と材料の量が大きく違うためです。
また、部分修理の費用の多くは、材料代よりも職人の手間賃です。瓦そのものは安くても、屋根に上がって作業する手間がかかるため、小さな修理でも数万円になります。
ここでは、それぞれの工事の費用の目安と、どんなときに選ぶ工事なのかを紹介します。
瓦一枚交換費用は数万円が目安になる
割れたり欠けたりした瓦を1〜数枚差し替える費用は、足場がいらない場合で3万〜5万円程度が目安です。瓦そのものは1枚数百円から千円ほどで、費用のほとんどは職人の手間賃にあたります。
ある屋根修理会社の見積例では、瓦10枚の修理で税込88,000円でした。内訳は、瓦の修理費が1枚5,000円で10枚分の50,000円、諸経費が30,000円です。
「1枚だけなら、もっと安く済むのでは?」と感じる方もいるでしょう。しかし、1枚でも数枚でも職人が屋根に上がる手間はほぼ同じため、枚数が少なくても費用はあまり下がりません。
同じ形の瓦が手に入らない場合は、似た形の瓦で代えることがあります。また、足場が必要な場所なら足場代が加わります。
関連記事:屋根修理に足場は本当に必要?足場なしで施工できるケースとリスクを解説
ずれた瓦を並べ直す
ずれたり浮いたりした瓦を元の位置に並べ直す費用は、5万円前後が目安です。瓦そのものは使い回せるため材料費はほとんどかからず、ずれた範囲の広さで手間が決まります。
瓦のずれは、台風や地震のあとに起きやすい症状です。ずれた範囲が広い場合や、瓦を留める釘が浮いている場合は、費用が上がります。
ずれを放っておくと、隙間から雨水が入りやすくなります。小さなずれのうちに直しておくことが大切です。
ひびや隙間をコーキングでふさぐ
瓦の小さなひびや隙間をコーキング材でふさぐ補修は、2万〜10万円程度が目安です。材料が安く、短い時間で済む工事のため、部分修理の中では費用を抑えやすい方法です。
ただし、コーキングはあくまで小さなひびへの応急的な補修です。雨漏りがすでに起きている場合は、コーキングだけでは止まらないことがあるため注意が必要です。
屋根瓦の修理で漆喰を詰め直す
棟の下などの漆喰が崩れたり、はがれたりしたときの詰め直しは、3万〜15万円程度が目安です。1mあたりでは3,000〜5,000円程度で、直す長さによって費用が決まります。
漆喰とは、瓦屋根の棟や瓦の隙間をふさぎ、雨水が入るのを防ぐ白い材料です。棟とは、屋根のいちばん高い所で、面と面が合わさる部分を指します。
漆喰が崩れたままにしておくと、棟の中の土が雨で流れ出し、棟の積み直しが必要になることがあります。また、棟が長い家や、古い漆喰をはがす量が多い場合は、15万円を超えることもあります。

棟瓦を積み直す

ゆがんだり崩れたりした棟瓦を、いったん外して積み直す工事は、20万〜60万円程度が目安です。棟の瓦をすべて外し、中の土や漆喰を入れ替えてから積み直すため、部分修理の中では手間が最も大きい工事です。
一部だけを積み直すなら10万円台から行えることもあります。一方で、棟が長い屋根ではさらに費用が上がることもあります。
先ほどお伝えしたとおり、漆喰の崩れを放っておいた結果、積み直しが必要になるケースも少なくありません。漆喰の傷みに気づいたら、早めに点検を受けることが重要です。
谷板金を交換する
屋根の面と面がぶつかって谷になっている部分の板金を交換する費用は、10万〜40万円程度が目安です。交換する長さが短ければ、10万円を下回る例もあります。
谷には屋根に降った雨水が集まるため、板金がさびて穴があくと雨漏りに直結します。交換するときは周りの瓦を外す必要があり、その分の手間もかかります。
なお、瓦屋根の「棟」は瓦を積んで作ったもので、スレート屋根などの「棟板金」とは別の工事です。棟板金の交換費用は、次の記事で紹介しています。
関連記事:棟板金交換の費用相場を徹底解説!修理との違いや交換が必要な症状とは
ラバーロックで瓦を固定する
ラバーロックとは、瓦と瓦の重なりを専用の接着材で留めて、ずれや飛散を防ぐ工事です。屋根全体の瓦を、外さずに固定したいときに選ばれます。
瓦をすべて外す葺き直しに比べると、手間が少なく済むのが特徴です。台風で瓦がずれたり飛んだりするのを防ぎたい場合に向いています。
ただし、施工の仕方によっては、瓦の重なりをふさいで入った雨水の逃げ道をなくし、かえって雨漏りや下地の傷みにつながることがあります。水の流れを考えて、留める所と開けておく所を分けて施工してもらうことが大切です。
また、瓦の下の防水シートや下地がすでに傷んでいる屋根では、ラバーロックで固定しても根本的な解決にはなりません。その場合は、葺き直しや葺き替えを考える必要があります。
屋根全体を直す3つの工事と費用の目安

瓦屋根全体を直す工事には、次の3つがあります。
- 葺き直し
- 葺き替え
- カバー工法
費用はおおむね100万〜250万円程度で、瓦屋根では葺き直しか葺き替えが中心です。瓦屋根は重さと凹凸があるため、上に新しい屋根を重ねるカバー工法は向かないことが多いからです。
3つの工事の違いを表にまとめると、次のとおりです。
| 工事 | 何をするか | 一般的な費用の目安(30坪前後) | 向いている状態 |
|---|---|---|---|
| 葺き直し | 今の瓦を外して下地と防水シートを直し、同じ瓦を戻す | 100万〜250万円程度 | 瓦はまだ使えるが、防水シートや下地が傷んでいる |
| 葺き替え | 瓦も下地も撤去し、新しい屋根材に替える | 140万〜250万円程度(瓦から軽い屋根材へ) | 瓦も下地も寿命を迎えている、屋根を軽くしたい |
| カバー工法 | 今の屋根の上に新しい屋根を重ねる | 80万〜150万円程度(瓦屋根以外の屋根の場合) | 瓦屋根では選ばれにくい |
ここでは、それぞれの工事の中身と費用の目安を紹介します。
葺き直しは今の瓦を使って下地を新しくする
葺き直しとは、今の瓦をいったん外し、下の防水シートや野地板を直してから、同じ瓦を戻す工事です。費用は100万〜250万円程度が目安です。
瓦は使い回せるため、屋根材の費用はかかりません。しかし、すべての瓦を外して戻す手間がかかるため、部分修理よりも費用は大きくなります。
防水シートとは、瓦の下に敷いて雨水が室内に入るのを止めるシートのことです。また、野地板は防水シートや瓦を支える板を指します。
焼き物の粘土瓦は長持ちしますが、下の防水シートは瓦より先に寿命が来ます。
そのため、瓦がまだ使える状態で防水シートが傷み、雨漏りしている家に向いている工事です。外すときに割れた瓦は、新しい瓦で補います。
葺き替えは屋根材も下地も新しくする
葺き替えとは、瓦も下地もすべて撤去して、新しい屋根材に替える工事です。瓦から軽い屋根材に替える場合は、140万〜250万円程度が目安になります。
古い瓦の撤去と処分に加えて、新しい屋根材・防水シート・下地の費用がすべてかかるためです。選ぶ屋根材ごとの目安は、次のとおりです。
- ガルバリウム鋼板に替える場合:約150万〜250万円
- アスファルトシングルに替える場合:約140万〜220万円
「一軒家の屋根を丸ごと交換すると、いくらかかるの?」と気になる方も多いでしょう。30坪前後の瓦屋根を軽い屋根材に葺き替える場合は、この140万〜250万円程度がひとつの目安です。
ただし、選ぶ屋根材や屋根の広さによっては、250万円を超える場合もあります。
葺き替えの費用は、主に次の項目に分かれます。
- 足場
- 野地板の補修
- 防水シート
- 新しい屋根材
- 古い瓦の撤去と処分
軽い屋根材に替えると、建物にかかる重さが減るのも葺き替えの特徴です。瓦も防水シートも寿命を迎えている家に向いています。
カバー工法は瓦屋根では選ばれにくい
今の屋根の上に新しい屋根を重ねるカバー工法は、瓦屋根では選ばれにくい工事です。瓦は重さがあるうえ表面の凹凸が大きく、上に屋根材を重ねると重くなりすぎ、きれいに固定するのも難しいためです。
カバー工法の費用は80万〜150万円程度が目安ですが、これはスレートなど平らな屋根の場合の金額です。瓦屋根で費用を抑えたいときは、まず葺き直しや部分修理で済むかを確かめましょう。
関連記事:瓦屋根にカバー工法は不向き?葺き替えが選ばれる理由を解説
瓦屋根の修理費用が高くなる5つのケース

瓦屋根の修理費用は、次の5つのケースで高くなります。
- 足場を組む必要がある
- 屋根が広く形が複雑になっている
- 3階建てや急な勾配の屋根になっている
- 防水シートや野地板まで傷んでいる
- 雨漏りの原因を調べる必要がある
どれも、職人の手間や安全のための設備、直す範囲が増えるためです。ここでは、それぞれのケースを紹介します。
足場を組む必要がある
屋根の工事で足場を組むと、30坪前後の2階建てで15万〜30万円ほどが別にかかります。職人の安全と工事の品質を守るために、屋根の周りに足場が必要になるためです。
瓦1〜2枚の差し替えなど短い工事は、足場なしでできる場合もあります。しかし、棟の積み直しや屋根全体の工事では、足場が欠かせません。
「足場代がもったいない」と感じる方もいるかもしれません。外壁塗装と同じ時期に工事をすれば、足場を1回分にまとめられるため、外壁の工事も考えているなら一緒に相談するのがおすすめです。
関連記事:屋根修理の足場代はいくらが相場?見積もりの妥当性と費用を抑える全知識
屋根が広く形が複雑になっている
屋根が広いほど、また棟や谷が多い複雑な形ほど、修理費用は高くなります。直す面積や棟・谷の長さが増え、材料と手間がその分増えるためです。
例えば、寄棟や入母屋のように棟が多い屋根は、漆喰の詰め直しや棟の積み直しをする長さが増えます。この記事の全体工事の費用は30坪前後を目安にしているため、広い家はこれを上回ると考えておきましょう。
3階建てや急な勾配の屋根になっている
3階建ての家や勾配の急な屋根は、修理費用が高くなります。高い所や急な屋根では、安全のための設備や作業の手間が増えるためです。
高い屋根や急な屋根では、安全対策や足場に追加の費用がかかることが多くなります。同じ工事でも、2階建てや緩い勾配の屋根より費用が上がりやすい点に注意が必要です。
防水シートや野地板まで傷んでいる
瓦の下の防水シートや野地板まで傷んでいると、瓦を直すだけでは済まず、費用が大きく上がります。瓦を外して下地を直す工事が加わり、部分修理から葺き直しや葺き替えに変わることがあるためです。
同じ「瓦が割れた」でも、割れた所から長く雨水が入っていた場合は、下地の補修が必要になります。下地の傷みは外から見えないため、点検で屋根裏の雨じみなどを確かめてもらうことが大切です。
雨漏りの原因を調べる必要がある
雨漏りしている場合は、修理の前に原因を調べる費用がかかることがあります。瓦屋根の雨漏りは、水が入った場所と天井にしみが出た場所が離れていることもあり、原因を突き止めないと直す場所を決められないためです。
例えば、屋根に水をかけて雨漏りの場所を探す散水調査を行うことがあります。原因が分からないまま修理すると、直したのに雨漏りが止まらないこともあるため注意が必要です。
部分修理か全体工事かを見分ける4つの目安

部分修理で済むか全体工事が必要かは、次の4つでおおよその見当がつきます。
- 傷みが一部に集まっているか
- 瓦の種類と築年数
- 雨漏りが何度も起きているか
- 防水シートが寿命を迎えているか
瓦そのものの傷みは部分修理で直せますが、瓦の下にある防水シートや下地の寿命は、瓦を外さないと直せないためです。
ただし、最終的な判断は点検で屋根と屋根裏を見てからになります。屋根に上ると転落の危険があるため、自分で確かめようとせず、業者に点検を依頼しましょう。
ここでは、見分けるための4つの目安を紹介します。
傷みが一部に集まっているか
割れやずれが数か所にとどまっているなら、部分修理で済むことが多いです。傷んだ瓦や漆喰だけを直せば、雨水が入る所をふさげるためです。
例えば、台風で瓦が数枚ずれた、1か所の漆喰がはがれた、といったケースが当てはまります。一方で、屋根のあちこちで割れやずれが起きている場合は、瓦を留める力そのものが弱っていることがあり、全体工事も含めて考える必要があります。
瓦の種類と築年数で寿命が変わる
瓦屋根の寿命は、瓦の種類によって大きく違います。粘土瓦は50年以上持つことが多い一方、セメント瓦は30年前後が目安とされています。
粘土瓦とは粘土を焼いて作った瓦で、セメント瓦はセメントを固めて作った瓦です。寿命の目安は資料によって幅があり、粘土瓦を60年以上とする記事もあります。
瓦の寿命が残っていれば、直して使い続けられます。しかし、寿命を過ぎた瓦は部分的に直しても、ほかの所が次々に傷むことがあります。
「瓦屋根は何年持つの?」という疑問への答えとしては、瓦そのものは長持ちしても、瓦の下の防水シートは瓦より短い年数で傷むという点が大切です。築年数が長い家ほど、瓦だけでなく下地の状態も合わせて確かめましょう。
雨漏りが何度も起きているか
一度直しても雨漏りをくり返すなら、瓦の下の防水シートや下地が傷んでいる可能性があります。全体工事を考えるひとつの目安です。
瓦の割れが原因の雨漏りなら差し替えで止まりますが、防水シートの傷みが原因なら瓦を直しても止まらないためです。例えば、
- 天井や屋根裏のしみが広がっている
- 雨のたびに同じ所から漏れる
- 修理したのにまた漏れてきた
といったケースが当てはまります。
防水シートが寿命を迎えているか
瓦の下の防水シートが寿命を迎えている場合は、瓦が無事でも葺き直しか葺き替えが必要になります。防水シートは瓦の下で雨水を止める最後の層で、瓦をすべて外さないと交換できないためです。
防水シートの寿命は瓦より短く、瓦の見た目がきれいでも中は傷んでいることがあります。築年数と点検の結果を合わせて判断してもらいましょう。
点検では、業者に次のような所を見てもらいます。
- 瓦の割れやずれ
- 漆喰の崩れ
- 棟のゆがみ
- 谷板金のさび
- 屋根裏の雨じみや野地板の傷み
写真を撮って見せてもらうと、自分の家の屋根の状態が分かりやすくなります。
瓦屋根の修理を先延ばしにすると費用が上がる理由

瓦屋根の傷みを先延ばしにすると、数万円の部分修理で済んだはずが、下地の補修や葺き替えが必要になることがあります。割れやずれ、漆喰の崩れから入った雨水が、防水シートや野地板を少しずつ傷めていくためです。
「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と考える方もいるでしょう。しかし、傷みは次のような流れで進みます。
- 瓦の割れや漆喰の崩れ
- 隙間から雨水が入る
- 防水シートや野地板が傷む
- 瓦を外して下地を直す工事が必要になる
費用の目安で比べると、瓦の差し替えなら3万〜5万円程度で済むところが、葺き直しになれば100万円を超えることもあります。さらに、ずれた瓦や崩れた棟は、台風や地震で落ちる危険もあるため注意が必要です。
関連記事:雨漏りの放置は危険?知らないと危険な被害と今すぐ確認すべきポイント5選
屋根瓦の修理に火災保険は使える?
台風や強風、雹、雪などの自然災害で瓦が割れたりずれたりした場合は、火災保険で修理費用が補償される可能性があります。火災保険は火事だけでなく、契約内容によっては自然災害による建物の被害も補償の対象にしているためです。
一方で、次のような傷みは対象外です。
- 色あせやサビ
- 防水性能の低下
- 長年の使用による劣化
保険が使えるかどうかは、工事の種類ではなく被害の原因で決まります。また、保険金は元の状態に戻すための費用を基準に決まるため、必ずしも修理費用の全額が補償されるとは限りません。
申請には被害の写真や見積書が必要になることがあり、被害から時間がたつと申請できなくなる場合もあります。被害に気づいたら、早めに相談することが大切です。
「火災保険で無料になります」と訪問販売で言われても、すぐに契約しないことが重要です。実際には保険が下りなかったり、一部しか認められなかったりすることもあります。
関連記事:カバー工法の費用は火災保険でどこまで補償される?対象条件を徹底解説
屋根瓦の修理に補助金は使える?
自治体によっては、瓦屋根の修理に使える補助金や助成金があります。ただし、制度があるかどうかや対象になる工事、条件は地域ごとに違います。
例えば、住宅の耐震化にかかる費用を補助する制度を設けている自治体もあります。このような制度では、補助の決定を受けてから業者と契約する必要があり、先に契約すると対象外になることがあるため注意が必要です。
また、補助金や助成金は予算が決まっているため、先着順のことがほとんどです。工事を決める前に、住んでいる市区町村の窓口やホームページで確かめましょう。
「補助金が使えないと、費用が足りない」という場合は、リフォームローンを利用する方法もあります。
関連記事:急な屋根修理でお金が足りない!ローンを利用するメリット・デメリットを解説
瓦修理は自分でできる?瓦屋根の雨漏り修理を自分でしない理由
瓦の修理や瓦屋根の雨漏り修理は、自分でせず業者に任せるのが安全です。屋根の上は滑りやすく転落の危険が大きいうえ、瓦は踏み方を間違えると割れてしまうためです。
「業者に頼むと高いから、自分で直したい」と思う方もいるでしょう。しかし、直し方を間違えると雨漏りが止まらず、かえって傷みが広がることもあります。
特に、雨の日に急いで屋根に上るのは大変危険です。
自分でできるのは、次のような範囲までにとどめましょう。
- 地上やベランダから見える範囲で割れやずれを確かめる
- 天井や屋根裏に雨じみがないかを見る
- 気になる所の写真を撮っておく
雨漏りがひどいときも、室内でバケツを置くなど、屋根に上らずにできることで対処してください。撮っておいた写真は、業者に相談するときにも役立ちます。
瓦屋根の修理の見積書で確かめたい4つの項目
「見積書をもらったけど、どこを見ればいいのか分からない」という方も少なくありません。瓦屋根の修理の見積書では、次の4つを確かめます。
- 工事の範囲と数量
- 足場代
- 一式の中身
- 下地の補修が増えるときの条件
この4つがはっきりしていれば、相場と比べやすくなり、工事のあとで追加の費用を求められることも防げるためです。
確かめる項目と、見積書のどこを見るかを表にまとめました。
| 確かめる項目 | 見積書のどこを見るか | 書かれていないときに聞くこと |
|---|---|---|
| 工事の範囲と数量 | 工事項目ごとの枚数・長さ・面積と単価 | どこを、どれだけ直すのか |
| 足場代 | 足場が別の行で書かれているか | 足場が必要な工事か、金額はいくらか |
| 一式の中身 | 「諸経費 一式」などの項目 | 何が含まれているのか |
| 下地の補修が増えるときの条件 | 追加工事の単価や条件の記載 | 下地が傷んでいたら、いくら増えるのか |
複数の業者から見積もりを取って比べると、金額だけでなく説明の分かりやすさも比べられます。
関連記事:屋根修理の相見積りは必要?相場やメリットデメリットとし失敗しない見極め方
ここでは、4つの項目をそれぞれ紹介します。
工事の範囲と数量が書かれている
見積書に、どの工事をどれだけの量行うかが書かれているかを確かめます。瓦の枚数や漆喰の長さ、屋根の面積などの数量が分かれば、単価と合わせて相場と比べられるためです。
例えば、先ほど紹介した見積例では「瓦修理 10枚 1枚5,000円」のように、枚数と単価が分けて書かれていました。反対に「屋根修理 一式」とだけ書かれた見積書では、何をどこまで直すのか分かりません。
足場代が別に書かれている
足場が必要な工事では、足場代が別の行で書かれているかを確かめます。足場代は15万〜30万円ほどと大きく、工事の費用に含まれているかどうかで総額の見え方が変わるためです。
足場がいらない工事なのに足場代が入っていないか、逆に足場が必要なのに入っていないかも見ておきましょう。
一式の中身を説明してもらえる
「諸経費 一式」などの項目は、何が含まれているかを聞いて説明してもらいます。中身が分からないと、ほかの業者の見積もりと比べられないためです。
先ほどの見積例では、諸経費が30,000円で、瓦10枚の修理費50,000円の6割にあたりました。
瓦の材料代や撤去・処分の費用を分けて書く業者もあるため、何にいくらかかるのかを確かめることが大切です。説明をはぐらかす業者は避けましょう。
下地の補修が増えるときの条件が書かれている
瓦を外してみて下地が傷んでいた場合に、追加の費用がかかるのか、いくらぐらいかが書かれているかを確かめます。下地の傷みは瓦を外すまで分からないことがあり、工事中に追加の費用を求められる原因になるためです。
追加がある場合の単価や、追加の前に写真で説明して了承を取るかどうかを、契約前に決めておきましょう。予算より費用が上がるのを防ぐことにつながります。
瓦屋根修理の業者を選ぶ4つのポイント

瓦屋根の修理は、次の4つを満たす業者に頼むのが安心です。
- 瓦屋根の工事の実績がある
- 屋根の写真を見せて説明してくれる
- その場で契約を急がせない
- 工事後の保証を書面で出す
瓦屋根の修理は職人の技術で仕上がりが変わり、屋根の上は自分で確かめられないためです。ここでは、4つのポイントを紹介します。
瓦屋根の工事の実績がある
瓦屋根の修理の実績があるかを、施工事例などで確かめます。瓦の差し替えや棟の積み直しは、瓦の扱いに慣れた職人でないと、ずれや雨漏りの原因を残すことがあるためです。
屋根の工事には、瓦の工事を得意とする業者や、板金の工事を得意とする業者、塗装を中心にする業者などがあります。業者ごとに得意な工事が違うため、瓦屋根の事例があるかを見ておくことが大切です。
屋根の写真を見せて説明してくれる
点検のあと、屋根の傷んだ所を写真で見せて説明してくれる業者を選びましょう。屋根の上は自分で見られないため、写真がないと本当に修理が必要なのか判断できないためです。
写真を見ながら、どこがどう傷んでいて、なぜその工事が必要なのかを説明してもらいます。説明に納得できてから契約することが大切です。
その場で契約を急がせない
突然訪ねてきて「瓦がずれている」「今すぐ直さないと危ない」と契約を急がせる業者とは、その場で契約しないことが重要です。屋根の上が見えないことにつけこみ、必要のない工事や高額な契約を勧める訪問販売の相談が増えているためです。
国民生活センターによると、屋根工事の点検商法に関する相談は、2018年度の923件から2022年度には2,885件に増えています。不安になってもその場で決めず、ほかの業者からも見積もりを取って比べましょう。
工事後の保証が書面で出る
工事のあとに不具合が出たときの保証を、書面で出してくれる業者を選びます。修理した所から雨漏りした場合などに、無償で直してもらえるかどうかは保証の中身で決まるためです。
保証の期間と、無償で直してもらえる範囲を契約前に確かめておきましょう。保証の年数は工事の内容によって違うため、工事ごとに確認することが大切です。
まとめ
今回は、瓦屋根の修理費用について解説しました。瓦屋根の修理費用は、部分修理なら数万円から60万円程度、葺き直しや葺き替えなら100万〜250万円程度が目安です。
ただし、どの工事が必要かは、症状と瓦の下の防水シートや野地板の状態で決まります。最後に、ポイントを振り返っておきましょう。
- 早見表で、症状から工事と費用の目安を確かめる
- 費用は足場や屋根の形、高さ、下地の傷みで上がる
- 部分修理で済むかは、4つの目安と点検で確かめる
- 見積書は、数量・足場代・一式の中身・追加の条件を確かめる
瓦の割れやずれに気づいたら、先延ばしにせず、早めに点検を受けることが大切です。
瓦屋根の修理費用は官兵衛ルーフにご相談ください
瓦屋根の傷みが気になったら、官兵衛ルーフの無料診断・無料見積もりで、必要な工事と費用を確かめられます。部分修理で済むか全体工事が必要かは、屋根と屋根裏を実際に見ないと決められないためです。
官兵衛ルーフでは、瓦屋根の部分的な修理について、次の料金を公開しています。
| 工事 | 料金(税込) | 料金の単位 |
|---|---|---|
| 屋根材の部分差し替え | 55,000円〜 | 1箇所 |
| 漆喰の塗り直し | 110,000円〜 | 20m〜1軒分 |
| 瓦留め(ラバーロック) | 110,000円〜 | 50㎡〜1件分 |
この料金は、ここまで紹介した一般的な相場とは別の、官兵衛ルーフの料金です。屋根の状態によって変わるため、正確な金額は診断のうえでお伝えします。

これまでに、瓦屋根の漆喰補修なども行っています。
