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屋根カバー工法のデメリット7選!葺き替えや塗装との違いも解説

屋根カバー工法のデメリット7選!葺き替えや塗装との違いも解説

「業者にカバー工法を勧められたけど、デメリットはないの?」

「葺き替えより安いなら、カバー工法でいいのでは?」

「屋根のリフォームでカバー工法を選んで、あとで困ることはない?」

このように考えたことはありませんか?

屋根のリフォームは何度もする工事ではないため、費用は抑えたいけれど失敗はしたくないと考えるのは当然です。そのなかで、今の屋根の上から新しい屋根を重ねるカバー工法を候補にする方も少なくありません。

結論からお伝えすると、屋根カバー工法には、

  • 下地の傷みを直せない
  • 屋根が重くなる
  • 次の工事で撤去費用が増える

などのデメリットがあります。

しかし、これらのデメリットがどれだけ問題になるかは、家によって変わります。今の屋根の種類や下地の状態、築年数、あと何年住むかによって、ほとんど気にならないデメリットもあれば、大きく響くデメリットもあるためです。

そこで今回は、屋根カバー工法の7つのデメリットや、デメリットが大きくなる家、葺き替えや塗装との違いについて詳しく解説します。

なお、外壁や窓のリフォームにも「カバー工法」と呼ばれる工事がありますが、今回お話しするのは屋根の工事です。

屋根カバー工法のデメリットは?リフォーム前に知りたい7つ

下の屋根が残る・重さが足される・次の工事に響く7つのデメリット

屋根カバー工法のデメリットは、大きく分けて7つあります。どれも、今の屋根を残したまま上に新しい屋根を重ねる、というカバー工法の仕組みから起きるものです。

カバー工法とは、今の屋根をはがさずに、その上から新しい防水シートと軽い屋根材を重ねるリフォームの方法です。撤去の手間がかからない分、費用や工期を抑えやすい一方で、下にある屋根や下地はそのまま残ります。

今の屋根の上に新しい防水シートを重ねて敷いた施工中の様子

関連記事:屋根のカバー工法とは?施工方法や向いている屋根、注意点を徹底解説

「安く早く済むなら、デメリットはそれほど気にしなくていいのでは?」と感じる方もいるでしょう。しかし、デメリットの中には工事のあとになってから表に出るものもあるため、事前に知っておくことが大切です。

7つのデメリットと、それが問題になりやすい家、避け方をまとめると次のとおりです。

デメリット問題になりやすい家避け方
下地の傷みを直せない長く雨漏りしていた家、築年数が長い家小屋裏から野地板を点検してもらう
屋根が重くなり耐震性に響くことがある1981年より前に建てた木造住宅、壁が少ない建物軽い屋根材を選び、建物の状態を確かめる
選べる屋根材が限られる今の屋根の見た目を残したい家、勾配がゆるい屋根屋根材の見本と、施工できる勾配を確かめる
重ねられるのは原則1回まですでにカバー工法をした家、中古で買った家屋根が二重になっていないかを点検で確かめる
次の工事で撤去費用が増えるこれから長く住む予定の家次は葺き替えになる前提で費用を比べる
屋根の内側で結露することがある湿気がこもりやすい屋根換気の部材や防水シートの仕様を確かめる
傷んだときに部分的に直しにくいかみ合わせて張る金属屋根にする家施工後の点検や保証の内容を確かめる

ここでは、屋根カバー工法の7つのデメリットを紹介します。

下地の傷みを直せない

カバー工法では、屋根材の下にある野地板の傷みを、全面的に直すことはできません。野地板とは、屋根材や防水シートを留めるために張られている板のことです。

今の屋根をはがさずに上から重ねるため、野地板は工事中も見えないままです。そのため、板が広い範囲で傷んでいても、張り替えることができません。

野地板の傷みに気づかずに重ねると、例えば、

  • 新しい屋根材を留めるビスが効かない
  • 強風で屋根材がはがれる
  • 見えないところで腐れが進む

といったことが起こるおそれがあります。

ただし、傷みが一部だけであれば、その部分を補修してから重ねられる場合もあります。広い範囲で腐っている場合は、今の屋根をはがして下地から直す葺き替えを考える必要があるため注意が必要です。

野地板が見えないまま残るカバー工法の屋根の断面と起こりうること

屋根が重くなり耐震性に響くことがある

カバー工法をすると屋根が二重になるため、建物にかかる重さが増えます。屋根が重いほど地震のときに建物が揺れやすくなるため、耐震性に影響する場合があります。

屋根の重さは、一般には1.3倍から1.6倍ほどになるといわれています。ただし、組み合わせる屋根材によって変わるため、あくまで目安として考えてください。

「屋根が重くなるなら、地震のときが心配…」と感じる方もいるでしょう。軽いガルバリウム鋼板などの金属屋根材を使えば、増える重さは小さく抑えられます。

一方で、1981年より前に建てられた木造住宅や、壁が少ない建物では、構造の確認が必要になる場合があります。気になる場合は、建物の築年数や構造と合わせて相談することが大切です。

関連記事:カバー工法は地震に弱い?施工前に知っておきたい耐震性の基礎知識

選べる屋根材が限られる

カバー工法で使える屋根材は、軽いものに限られます。屋根が二重になるカバー工法では、重い屋根材を使うと建物への負担が大きくなるためです。

例えば、

  • ガルバリウム鋼板
  • SGL鋼板
  • アスファルトシングル

などの軽い屋根材が中心になり、瓦のような重い屋根材は選べません。

今の屋根の見た目が気に入っている方にとっては、デメリットに感じるかもしれません。最近は色や形の種類が多い金属屋根材もあるため、見本を見ながら選ぶとよいでしょう。

また、金属屋根にすると雨音や夏の暑さが気になるという声もあります。断熱材付きの屋根材を選ぶと和らげやすく、この点は後ほど詳しく説明します。

重ねられるのは原則1回まで

カバー工法で屋根を重ねられるのは、原則1回までです。三重に重ねると重さが増えるうえ、ビスが下地まで届きにくくなり、固定も防水も成り立ちにくくなるためです。

「次の工事のときも、またカバー工法で安く直せばいい」と考える方もいますが、そのとおりにならないケースがほとんどです。カバー工法をした屋根を次に直すときは、基本的に葺き替えになります。

そのため、今回カバー工法を選ぶ場合は、次は葺き替えになる前提で考えておくと安心です。

次の工事で撤去費用が増える

次に屋根を直すときは、二重になった屋根を両方はがすため、撤去と処分の費用が増えます。古い屋根と、カバー工法で重ねた屋根の2枚分を片づける必要があるためです。

今回の費用は葺き替えより抑えられても、次の工事まで含めると、その差が小さくなることがあります。特に、アスベストを含む古いスレートの場合は、将来の撤去で処分の費用がかかるため注意が必要です。

このデメリットがどれだけ響くかは、あと何年この家に住むかによって変わります。住む年数による考え方は、後ほど詳しく説明します。

屋根の内側で結露することがある

カバー工法をした屋根では、内側で結露が起きることがあります。古い屋根と新しい屋根のあいだや、野地板のまわりに湿気がこもりやすくなるためです。

結露が続くと、野地板が湿って傷む原因になります。せっかく屋根を新しくしても、見えないところで下地が傷んでしまっては意味がありません。

ただし、結露が起きるかどうかは、

  • 換気の部材の有無
  • 防水シートの種類
  • 屋根材の断熱性
  • 施工の丁寧さ

などによって変わります。断熱材付きの屋根材は、結露を防ぐ方向に働くともいわれています。

工事を頼むときは、換気や防水シートをどのような仕様にするのかを確かめておくことが大切です。

関連記事:カバー工法の防水シートに違いはある?ルーフィングの種類と特徴を解説

傷んだときに部分的に直しにくい

カバー工法をした屋根は、あとで一部が傷んだときに、部分的に直しにくいことがあります。特に、屋根材のふちをかみ合わせて張る「かん合式」の金属屋根は、1枚だけ外して交換するのが難しいためです。

また、屋根が二重になると、内側の状態を確かめにくくなります。雨漏りが起きたときも、どこから水が入っているのかを探すのに手間がかかる場合があります。

すべての屋根材に当てはまるわけではありませんが、施工後の点検や保証の内容は工事の前に確かめておきましょう。

カバー工法のデメリットが大きくなる6つの家

瓦屋根や勾配がゆるい屋根などデメリットが大きくなる6つの家

カバー工法のデメリットは、どの家でも同じように出るわけではありません。重さや下地、防水といったカバー工法の弱いところが家の条件と重なると、デメリットが大きく出るためです。

反対に、スレートや金属屋根で、表面は古くなっていても下地が健全な家であれば、デメリットは出にくい傾向があります。

「うちの家は大丈夫なの?」と気になる方も多いでしょう。例えば、次のような点に当てはまるかを確かめてみてください。

  • 今の屋根が瓦ではないか
  • 屋根の傾きがゆるくないか
  • 小屋裏に雨染みや黒ずみがないか
  • 雨漏りが何か月も続いていないか
  • 過去にカバー工法をしていないか
  • 1981年より前に建てた木造住宅ではないか

1つでも当てはまる場合は、点検で詳しく確かめてもらうことが大切です。ここでは、カバー工法のデメリットが大きくなる6つの家を紹介します。

瓦屋根で平らに重ねられない

瓦屋根には、カバー工法は基本的にできません。瓦は表面が波打っていて平らに重ねられないうえ、もともと重い屋根にさらに重さを足すことになるためです。

7つのデメリットのうち、「屋根が重くなる」が最も大きく出るのが瓦屋根の家です。瓦屋根のリフォームは、葺き替えや、割れた瓦の差し替えなどの部分補修で考えます。

関連記事:瓦屋根にカバー工法は不向き?葺き替えが選ばれる理由を解説

屋根の勾配がゆるい

屋根の傾きがゆるい家は、カバー工法で使える屋根材が限られ、雨漏りのおそれも高くなります。屋根材ごとに施工できる勾配が決まっており、ゆるい屋根では雨水が流れにくいためです。

勾配とは屋根の傾きのことで、「3寸」なら横に10進むと高さが3上がる傾きを表します。施工できる勾配は、屋根材のメーカーや製品によって違います。

7つのデメリットのうち、「選べる屋根材が限られる」が大きく出るのがこの家です。勾配に合わない屋根材を使うと、雨水が屋根材のすき間に入り込みやすくなるため注意が必要です。

野地板が腐って傷んでいる

野地板が腐って傷んでいる家は、カバー工法に向きません。「下地の傷みを直せない」というデメリットがそのまま問題になり、新しい屋根材をしっかり留められないためです。

例えば、

  • 屋根の上を歩くと沈む
  • 小屋裏から見て板が黒ずんでいる
  • 天井に雨染みがある

といった状態は注意が必要です。こうした状態かどうかは、屋根に上らず、点検で業者に確かめてもらいましょう。

傷みが一部だけなら、その部分を補修してから重ねる方法もあります。広い範囲で傷んでいる場合は、葺き替えを検討しましょう。

雨漏りが長く続いている

雨漏りが長く続いている家は、カバー工法の前に、原因と下地の傷みを確かめる必要があります。長く水が入っていると見えない部分まで傷んでいることがあり、そのまま重ねると原因を閉じ込めてしまうためです。

この家では、「下地の傷みを直せない」と「部分的に直しにくい」の2つのデメリットが重なって出ます。屋根を重ねたあとも雨漏りが続くと、原因を探すのにも手間がかかります。

一方で、雨漏りの原因が分かっていて、下地が健全であれば、カバー工法で直せる場合もあります。

関連記事:屋根の雨漏りはカバー工法で直せる?できる条件と判断基準を解説

すでに一度カバー工法をしている

すでにカバー工法をした家に、もう一度屋根を重ねることはできません。「重ねられるのは原則1回まで」というデメリットに当たるためです。

特に、中古住宅を買った方など、前の工事の内容を知らない場合は注意が必要です。点検のときに、屋根が二重になっていないかを確かめてもらいましょう。

すでに二重になっている屋根を直すときは、葺き替えになります。2枚分の撤去と処分の費用がかかるため、見積もりの段階でその分を確認しておくことが大切です。

古い木造で耐震性に不安がある

建てた年が古い木造住宅や、耐震性に不安がある家は、カバー工法の前に建物の状態を確かめておくと安心です。「屋根が重くなる」というデメリットが、もともと揺れに弱い建物では大きく出るためです。

特に、1981年より前に建てられた木造住宅は、構造の確認が必要になる場合があります。1981年に建物の耐震の基準が大きく見直されており、それより前の住宅は古い基準で建てられているためです。

耐震性を高めたいと考えている場合は、屋根を軽くできる葺き替えも合わせて比べてみましょう。

葺き替えと比べてカバー工法が劣る3つの点

下地・屋根の重さ・次の工事で比べたカバー工法と葺き替えの違い

葺き替えと比べると、カバー工法は3つの点で劣ります。葺き替えは今の屋根をはがして下地から作り直す工事で、カバー工法はその手間を省く代わりに、下の屋根と重さが残る工事だからです。

「カバー工法と葺き替え、結局どっちがいいの?」と迷う方も多いでしょう。カバー工法・葺き替え・塗装の違いをまとめると、次のとおりです。

比べる点カバー工法葺き替え塗装
工事の中身今の屋根の上に新しい屋根を重ねる今の屋根をはがして新しくする今の屋根材の表面を塗り直す
下地の野地板直せない張り替えられる直せない
屋根の重さ重くなる軽い屋根材なら軽くなるほぼ変わらない
向いている屋根屋根材は古いが下地は健全下地まで傷んでいる、瓦屋根、カバー工法済み屋根材がまだ丈夫
次の工事原則、葺き替えになる工事の方法を選べる7〜10年ごとに塗り直す
工期の目安5〜10日前後7〜14日前後屋根の広さや天候で変わる

費用の目安は、後ほど表にまとめて紹介します。

特に、葺き替えと比べて劣るのは次の3点です。

  • 下地から新しくできない
  • 屋根が軽くならない
  • 次の工事まで含めると高くつくことがある

ここでは、葺き替えと比べてカバー工法が劣る3つの点を紹介します。

下地から新しくできない

葺き替えなら野地板や防水シートまで新しくできますが、カバー工法では下地はそのまま残ります。カバー工法は今の屋根の上に重ねるため、下地を交換する工程がないためです。

屋根の寿命は、表面の屋根材だけでなく、その下の下地の状態にも左右されます。カバー工法の場合、下地の状態によって将来の寿命が変わることがあります。

そのため、築年数が長く、下地の傷みが心配な家では、葺き替えのほうが安心な場合があります。一方で、点検で下地が健全だと分かれば、カバー工法でも十分な耐久性を確保できます。

カバー工法と葺き替えの屋根の断面で比べた下地の違い

屋根が軽くならない

葺き替えでは重い屋根を軽い屋根に替えられますが、カバー工法では屋根は今より重くなります。葺き替えは古い屋根をはがすのに対し、カバー工法は上に足す工事だからです。

例えば、スレートの屋根を軽い金属屋根に葺き替えれば、屋根は今より軽くなります。一方でカバー工法は、スレートの重さに金属屋根の重さが足し算されます。

地震に備えて建物への負担を減らしたいという目的があるなら、葺き替えのほうが向いています。

次の工事まで含めると高くつくことがある

今回の費用はカバー工法のほうが安くても、次の工事まで含めると葺き替えとの差が縮むことがあります。次の工事では二重になった屋根をはがすことになり、撤去と処分の費用が増えるためです。

さらに、カバー工法のあとに雨漏りが再発して屋根をはがすことになると、最初から葺き替えたほうが安かった、という逆転が起きることもあります。

どちらが得かは、あと何年この家に住むかで変わります。長く住み続ける予定なら、下地から新しくできる葺き替えも合わせて比べるとよいでしょう。

屋根カバー工法と塗装はどっちを選ぶ?

屋根の症状で塗装・カバー工法・葺き替えを選ぶ目安

屋根材がまだ使える状態なら塗装、屋根材そのものが傷んでいる・寿命が近いならカバー工法、と選ぶのが目安です。塗装は屋根材の表面を守る工事で、割れや反りなど屋根材そのものの傷みは直せないためです。

「塗装のほうが安いなら、塗装で済ませたい」と考える方もいるでしょう。症状ごとの目安は、次のとおりです。

  • 色あせやコケが中心で、屋根材はまだ丈夫 → 塗装
  • ひび割れや反り、欠けが広い範囲にある → カバー工法
  • 天井のシミや下地の傷みがある → 葺き替え

塗装はカバー工法より費用を抑えられますが、7〜10年ごとに塗り直しが必要です。そのため、何度も塗り重ねて延命するより、カバー工法に切り替えたほうが長い目で見て安くなるケースもあります。

迷ったときは、屋根材の傷み具合と、あと何年住むかを合わせて考えることが大切です。

関連記事:スレート屋根のカバー工法とは?できる条件と費用相場を解説

屋根カバー工法のメリットは?デメリットと比べる4つの点

カバー工法の4つのメリットと裏にあるデメリットの関係

屋根カバー工法には、デメリットだけでなく4つのメリットもあります。今の屋根をはがさないことは、デメリットの原因である一方で、メリットの理由にもなっているためです。

「デメリットばかり聞くと、カバー工法を選ぶのが不安になる」という方もいるでしょう。メリットと、その裏にあるデメリットをまとめると、次のとおりです。

メリット理由あわせて知っておきたい点
葺き替えより費用を抑えられる撤去と処分がいらない次の工事で撤去費用が増える
工期が短く暮らしへの影響が少ないはがす工程がない下地の傷みを直せない
断熱性と遮音性が上がる屋根が二重になる屋根が重くなる
廃材やほこりが少ない古い屋根を残す古い屋根は次の工事で撤去が必要

このように、メリットとデメリットは表と裏の関係にあります。ここでは、屋根カバー工法の4つのメリットを紹介します。

葺き替えより費用を抑えられる

今の屋根の撤去と処分がいらないため、葺き替えより費用を抑えられます。撤去の手間と、古い屋根材を処分する費用がかからないためです。

30坪前後の住宅で比べると、初期費用はカバー工法のほうが葺き替えより安くなることがほとんどです。費用の目安は後ほど表で紹介します。

ただし、先ほど説明したとおり、次の工事では撤去費用が増えます。今回の費用だけでなく、次の工事まで含めて比べることが大切です。

工期が短く暮らしへの影響が少ない

撤去の工程がないため、葺き替えより工期が短く、工事中の暮らしへの影響も少なくなります。はがす作業がないうえ、工事中も今の屋根が雨を防いでくれるためです。

一般的な戸建て住宅のカバー工法は、5日〜10日前後で終わるケースが多いです。葺き替えは7日〜14日前後が目安のため、比べると短く済みます。

さらに、古い屋根をはがすときの大きな音やほこりも出にくく、住みながら工事を進めやすい点もメリットです。

防水シートの上からアスファルトシングルを張っている工事中の屋根

関連記事:屋根カバー工法 U様

断熱性と遮音性が上がる

カバー工法をすると屋根が二重になるため、断熱性と遮音性が上がります。古い屋根と新しい屋根のあいだに層ができ、熱や音が伝わりにくくなるためです。

「金属屋根にすると、雨音がうるさくならない?」と心配する方もいるでしょう。屋根が二重になることに加え、断熱材付きの屋根材を選べば、雨音や夏の暑さを和らげやすくなります。

屋根材を選ぶときは、断熱材が付いているかどうかも確認しておくとよいでしょう。

廃材やほこりが少ない

古い屋根をはがさないため、廃材やほこりが少なく済みます。撤去で出るごみと、はがすときに舞うほこりが出ないためです。

隣の家との距離が近い住宅地でも、まわりへの影響を抑えやすくなります。

また、アスベストを含む古いスレート屋根の場合、カバー工法なら古いスレートを割らずに新しい屋根の下に閉じ込められます。アスベストが飛び散るおそれを抑えながら、屋根を新しくできます。

ただし、アスベストは屋根の中に残ったままになります。将来葺き替えるときには撤去と処分が必要になり、その費用が高くなる傾向があるため注意が必要です。

デメリットが出ないか点検で確かめる4つのこと

野地板・勾配と屋根材・築年数・住む年数の4つの確認ポイント

カバー工法を決める前に4つのことを確かめておくと、デメリットが自分の家で出るかどうかが分かります。7つのデメリットのうち、どれが大きく出るかは、この4つで決まるためです。

  • 野地板の傷み
  • 屋根の勾配と今の屋根材
  • 築年数と建物の耐震性
  • あと何年住むか

「点検といっても、何を見てもらえばいいのか分からない」という方も多いでしょう。業者に点検を頼む前に、家族で次のことを確認しておくと、話がスムーズに進みます。

  • 家を建てた年
  • 過去に屋根の工事をしたかどうか
  • 雨漏りや天井のシミがあるか
  • あと何年この家に住む予定か

ここでは、デメリットが出ないか点検で確かめる4つのことを紹介します。

小屋裏から野地板の傷みを見てもらう

点検では、屋根の上だけでなく、小屋裏からも野地板の傷みを見てもらいましょう。「下地の傷みを直せない」というデメリットが出るかどうかは、野地板の状態で決まるためです。

小屋裏とは、屋根と天井のあいだの空間のことです。例えば、

  • 雨染み
  • 板の黒ずみ
  • カビ

などがないかを確かめてもらいます。

屋根の上や小屋裏は自分では確かめにくいため、写真で見せてもらうと判断しやすくなります。

小屋裏から雨染み・板の黒ずみ・カビを確かめてもらう点検の位置

屋根の勾配と今の屋根材を確かめる

今の屋根材の種類と、屋根の勾配も確かめてもらいましょう。瓦屋根かどうかや、勾配がゆるいかどうかで、カバー工法ができるか、どの屋根材が使えるかが変わるためです。

ここでつながるデメリットは、「選べる屋根材が限られる」と「屋根が重くなる」です。今の屋根がスレートなのか、金属屋根なのか、瓦なのかを知っておくと、業者の説明も理解しやすくなります。

屋根材の種類が分からない場合は、家を建てたときの図面や資料に書かれていることもあります。

築年数と建物の耐震性を確かめる

家を建てた年と、耐震性に不安がないかも確かめておきましょう。「屋根が重くなる」というデメリットは、古い建物ほど大きく出るためです。

例えば、

  • 1981年より前に建てた木造住宅か
  • 耐震診断を受けたことがあるか
  • これから増築や改築の予定があるか

といった点を、点検のときに業者へ伝えておくと安心です。

特に増築や改築の予定がある場合は、屋根の工事と合わせて考えないと、あとで二度手間になることもあります。

あと何年住むかを家族で決めておく

この家にあと何年住むかを、家族で話しておくことも大切です。「次の工事で撤去費用が増える」というデメリットは、住む年数によって問題になるかどうかが変わるためです。

例えば、これから長く住み続ける予定なら、次の屋根の工事も自分たちで負担することになります。その場合は、下地から新しくできる葺き替えも合わせて比べるとよいでしょう。

反対に、10年ほどで建て替えや住み替えを考えているなら、今回の費用を抑えられるカバー工法の良さが生きます。

屋根カバー工法で後悔するのはどんなとき?

屋根材の浮きや撤去費用など屋根カバー工法でよくある後悔と原因

カバー工法で後悔するのは、多くの場合、デメリットを知らずに「安くて早いから」という理由だけで選んだときです。下地の傷みや次の工事の費用といったデメリットは、工事のあとになってから表に出るためです。

よくある後悔の形には、例えば、

  • 下地の傷みを残して重ね、数年で屋根材が浮いた
  • 次に直そうとしたら、二重の撤去で費用が高くついた
  • 金属屋根にしたら、雨音や暑さが気になった

といったケースがあります。

いずれも、7つのデメリットを工事の前に知っていれば、避けられたり、納得して選べたりするものです。

関連記事:屋根カバー工法の失敗例7選!原因と失敗を防ぐ確認点を徹底解説

さらに、工事の前に確かめておきたい注意点を知っておくと、後悔をより防ぎやすくなります。

関連記事:カバー工法で後悔しないために!施工前に知っておきたい5つの注意点を解説

屋根カバー工法の費用は?30坪の目安を紹介

屋根塗装・カバー工法・葺き替えの30坪前後の費用の目安

30坪前後の住宅の場合、カバー工法の費用は、葺き替えより安く、塗装より高いのが一般的です。撤去がないぶん葺き替えより安く、屋根材を新しく張るぶん塗装より高くなるためです。

「結局、いくらくらいかかるの?」と気になる方も多いでしょう。30坪前後の住宅で、工事ごとの費用の目安をまとめると次のとおりです。

工事費用の目安(30坪前後)主な内容
屋根塗装40万〜80万円今の屋根材の表面を塗り直す
カバー工法80万〜150万円防水シートと屋根材を重ねる
葺き替え120万〜250万円今の屋根を撤去して新しくする

金額は、屋根の広さや屋根材、勾配、足場、下地の補修の有無によって変わるため、あくまで目安として考えてください。

また、カバー工法を選ぶ場合は、次の工事で二重の屋根をはがす費用も考えておくことが大切です。

関連記事:屋根カバー工法の費用相場を徹底解説!30坪の内訳と見積書の見方

屋根カバー工法の耐用年数は何年?

ガルバリウム鋼板・SGL鋼板・シングル・防水シートの耐用年数の目安

カバー工法の耐用年数は、主に重ねる屋根材と防水シートで決まります。屋根は、表面の屋根材と、その下の防水シートの両方が持っているあいだ雨を防ぐためです。

屋根材ごとの耐用年数の目安は、次のとおりです。

屋根材耐用年数の目安
ガルバリウム鋼板20〜30年
SGL鋼板25〜35年
アスファルトシングル20〜30年

防水シートは20〜25年ほどが目安です。ただし、立地やメンテナンス、もとの下地の状態によっては、目安より短くなるケースもあります。

また、重ねられるのは原則1回までのため、次の工事は葺き替えになる前提で年数を考えておくと安心です。

関連記事:カバー工法は20年以上持つ?耐用年数の目安と長持ちさせる5つのポイント

屋根カバー工法にガルバリウムが選ばれる理由

軽さ・錆びにくさ・断熱材付きでガルバリウム鋼板が選ばれる理由

カバー工法でガルバリウム鋼板がよく選ばれるのは、軽くて錆びにくく、屋根が重くなるデメリットを抑えられるためです。屋根が二重になるカバー工法では、重ねる屋根材の軽さが、建物への負担を小さくするいちばんの手段になります。

ガルバリウム鋼板は、鉄の板にアルミと亜鉛を含むメッキをした金属の屋根材です。最近は、ガルバリウム鋼板よりさらに錆びにくいSGL鋼板もよく使われています。

関連記事:ガルバリウム鋼板のカバー工法を選ぶ価値はある?費用と耐用年数を比較

「金属屋根は雨音がうるさい」「夏に暑くなる」と心配する方もいますが、断熱材付きの屋根材を選べば和らげやすくなります。また、金属屋根の葺き方は、屋根の勾配によって向いているものが変わります。

関連記事:金属屋根のカバー工法とは?屋根材の種類と向いている屋根を解説

屋根カバー工法に火災保険は使える?

自然災害による破損と経年劣化で分かれる火災保険の使える範囲

台風や強風などの自然災害で屋根が壊れた場合は、火災保険が使える可能性があります。一方で、年数がたって傷んだ経年劣化は、対象外になるのが一般的です。

火災保険は、突発的な災害による損害を補償するもので、経年劣化は補償の対象に含まれないことが多いためです。

「カバー工法の費用を、火災保険で全部まかなえないの?」と考える方もいるでしょう。補償の対象になるのは、基本的に災害で壊れた部分を直す費用で、カバー工法の費用がすべて出るとは限りません。

使えるかどうかは、保険会社や契約の内容によって変わります。まずは契約内容を確かめ、保険会社に相談することが大切です。

関連記事:カバー工法の費用は火災保険でどこまで補償される?対象条件を徹底解説

デメリットまで説明する業者を選ぶ3つのポイント

デメリットの説明・写真・他工事との比較で業者を選ぶ3つのポイント

カバー工法を任せる業者は、3つのポイントで選ぶと安心です。デメリットが自分の家で出るかどうかは、点検の結果と、ほかの工事と比べた理由がないと判断できないためです。

  • デメリットを先に説明してくれる
  • 小屋裏や屋根の写真を見せてくれる
  • 葺き替えや塗装と比べて提案してくれる

「どの業者に頼めばいいのか分からない」と迷う方も少なくありません。ここでは、デメリットまで説明する業者を選ぶ3つのポイントを紹介します。

デメリットを先に説明してくれる

カバー工法のメリットだけでなく、デメリットも先に説明してくれる業者を選びましょう。デメリットを聞かずに決めると、工事のあとで「聞いていなかった」と後悔しやすいためです。

例えば、「この家なら次は葺き替えになります」「建物の年数を考えると重さが心配です」のように、自分の家に当てはめて説明してくれるかがポイントです。

反対に、「カバー工法にデメリットはありません」と言い切る業者には注意が必要です。

小屋裏や屋根の写真を見せてくれる

点検のあとに、小屋裏や屋根の上の写真を見せて説明してくれる業者を選びましょう。屋根の上や小屋裏は自分で確かめられず、写真がないと下地の状態を判断できないためです。

例えば、

  • 野地板の黒ずみ
  • 天井裏の雨染み
  • 屋根材の割れや浮き

などを写真で示してもらえると安心です。

写真があれば、ほかの業者に意見を聞くときにも役立ちます。

葺き替えや塗装と比べて提案してくれる

カバー工法だけでなく、葺き替えや塗装と比べたうえで提案してくれる業者を選びましょう。比べた理由が分かれば、勧められた工事が自分の家に合っているかを判断できるためです。

また、カバー工法は屋根材を重ねて納める板金の技術が仕上がりを左右する工事です。カバー工法の施工実績が多いかどうかも、確かめておくとよいでしょう。

さらに、「今日決めれば安くなります」などと契約を急がされた場合は、その場で決めず、ほかの業者にも見てもらうことが大切です。

まとめ

今回は、屋根カバー工法のデメリットについて解説しました。屋根カバー工法には、

  • 下地の傷みを直せない
  • 屋根が重くなり耐震性に響くことがある
  • 選べる屋根材が限られる
  • 重ねられるのは原則1回まで
  • 次の工事で撤去費用が増える
  • 屋根の内側で結露することがある
  • 傷んだときに部分的に直しにくい

の7つのデメリットがあります。

ただし、デメリットがどれだけ問題になるかは、屋根の種類や下地の状態、築年数、あと何年住むかによって変わります。デメリットとメリットは、今の屋根を残すという同じ仕組みの表と裏だからです。

瓦屋根や下地が傷んでいる屋根、すでにカバー工法をした屋根なら葺き替えを、屋根材がまだ丈夫なら塗装も含めて比べましょう。

まずは点検で屋根と下地の状態を確かめ、自分の家に合ったリフォームの方法を選ぶことが大切です。

カバー工法のデメリットが自分の家で出るかどうかは、屋根と下地の状態を見てから判断します。

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